内閣府研修会『青少年育成のための地域連携推進事業』

コーシ

2010年10月01日 23:28

水戸で開催された内閣府研修会『青少年育成のための地域連携推進事業』関東甲信越静(静岡県はオマケかな?!)ブロック研修会に参加しました。

基調講演は、筑波大名誉教授の門脇厚司先生による「青少年の社会力を育てよう」でした。
先生の熱い思いがあふれ出て本題に入る前のお話が止まらず、結果、レジュメの内容とはちょっと外れてしまいました。
が、いやいやどうして、それが非常に素晴らしいお話で、私たちも感激しながら聞かせていただきました。
その講演の内容を少しだけご紹介しますと…。
「子どもたちにとって本当に必要な能力は知識ではなく、ましてや学力ではない。様々な知識を組み立てなおして新たな知識を想像する能力だ。なぜなら、様々な未確定な課題が生まれるであろう未来に対処できる力を持つことが必要だから。」
「日本の社会は『ひと(他人)』と表現される自分以外の誰かとの存在や関わりあいを意識して形成されてきた社会だが、現在は『他者の喪失』とも言えるような『ひと』と繋がれない子ども(だけではないが)が多くなった。」
「人間ひとり一人が『社会の一員としてやれることをやる』意識を持ち、お互いに助け合ってより良い社会を作ろうとする意欲や自覚が必要。」
「子どもは地域の中で、ひとりでも多くの大人と関わることにより、高度な対応能力が身に付く、脳の機能が活性化するなど『進化』する。」
「現在の状況に対応できる『社会性』ではなく、どんな状況にも対応できる能力である『社会力』こそが子どもにとって必要な力である。」

また基調講演の前には、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付青少年担当調査官の塩島かおりさんから『青少年施策について』の説明がありました。
これがまた、ポイントを絞って分りやすく明確に説明されていて、非常に感心しました、お見事!という感じでした。
で、そのポイントもいくつかご紹介すると。
「『青少年』を『子ども・若者』に言い換える。」
「『子ども・若者ビジョン』策定の考え方のポイントは、
・育成の『対象』ではなく、社会を構成する重要な『主体』として尊重する
・地域のネットワークでは、誰が何をするということではなく、『できることをできるところでやる』意識が必要
である」
「社会全体で支えるための環境整備をすすめるためには、子ども・若者を支えるだけではなく、大人を支える必要性もある」
「子ども・若者ビジョンの5つの理念は
(1)憲法及び児童の権利条約に基づき子ども・若者の最善の利益を尊重
(何が一番良いのかを考えることが重要で、それは『子どものワガママ』や『大人の勝手』ではダメ)
(2)子ども・若者は大人と共に生きるパートナー
(これから沙紀の社会を作っていく主体者である)
(3)自己を確立し社会の能動的形成者となるための支援
(今ある社会に適応させることではなく、次の社会を作っていく力を持つようにしなければ)
(4)一人一人の状況に応じた総合的な支援を、社会全体で重層的に実施
(5)大人社会の在り方の見直し
である」

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